【アメリカで人気】海外における日本食(レストラン)の状況

海外に出張や旅行へ行かれた際に、日本で有名なレストランチェーンを見かけることは珍しくありません。昨年、孫正義氏の母校UCLA・バークレー校を訪れた際に、日本で人気の丸亀製麺があり、現地の方でしっかりとオペレーションしていました。またサンフランシスコのダウンタウンには、おにぎり専門店*があり、ランチ時には混雑する様子が見られました。

*手作りではなく、機材を使いおにぎりを作っていたので、一般的なジャパニーズ・レストランと違い、働いている人に技術は問われません。

ジャパニーズ・レストランは、1970年代から1980年代にかけて世界各地で登場し、1990年代からは必ずしも日本人がオーナーでないジャパニーズ・レストランが増加しました。この傾向は今でも変わらず続いています。日本系の経営者による「高級店」と、主に非日本系の経営者による「大衆店」に二極化しており、特に「大衆店」の場合、中華レストランなどが日本食ブームに乗って業態を変える経営者が多いのが特徴です。

日本国内では、ジャパニーズ・レストランは一般的に存在せず、寿司、ラーメン、天ぷらなど、個別メニューの専門店が一般的です。しかし、ジャパニーズ・レストランでは、海外でローカライズされた結果、これら異なる料理を1つの店で提供することが一般的になっています。また、他国の料理と組み合わせたフュージョン料理も存在し、海外の方にとっては一般的となったジャパニーズ・レストラン ですが、日本人にとっては海外で見られるユニークな特徴の一つです。

上記触れたように、ジャパニーズ・レストランの歴史は50年ほどあり、海外の人にとっても日常的なのですが、再度注目を集めるきっかけになった話題の一つが、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことです。

UNESCO: Washoku, traditional dietary cultures of the Japanese, notably for the celebration of New Year
農林水産省: 「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されています

「和食」の4つの特徴
1) 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
2) 健康的な食生活を支える栄養バランス
3) 自然の美しさや季節の移ろいの表現
4) 正月などの年中行事との密接な関わり

上記のような価値観は日本人には分かりやすいものの、実際海外のジャパニーズ・レストランで感じられるかと言えば、疑問なところではあります。真意の理解に関わらず、日本食は、世界中で愛され、寿司、ラーメン、刺身、てんぷら、そしてその他多くの日本の料理、近年では日本酒も含めて、国境を越えて人気を博しています。ヘルシー嗜好で健康に気を遣うアメリカ人に日本食の人気は高く、北米は最も日本食レストランが多いエリアです。レストランが増えると、日本国内特有の調理機器や農作物・水産物の輸出量の増大、ロジスティクス網の拡大に貢献します。また、日本で消費量が減少傾向の酒の輸出機会を生み出します。

この記事では、海外における日本食レストランの状況をお伝えし、その背後にあるトレンドやビジネス、今後の流れについて考えてみます。

一人当たりのGDP

出店先の食習慣や生活水準がどのようなものか事前に把握することは、レントや食材費・労働力コストを考慮した価格計算の際に役立ちます。

一人当たりのGDP(Gross Domestic Product per capita)は、国の経済活動を評価するための指標の一つで、国内総生産(Gross Domestic Product, GDP)を国の総人口で割った値を示します。この値は、国の全体的な経済活動を、一人当たりの平均レベルで評価する指標となります。

一人当たりのGDPは、国の経済の豊かさや生活水準を比較するために広く使用されており、以下の点で重要な情報を提供します:

  • 生活水準の比較: 一人当たりのGDPは、国ごとに平均的な収入を示すため、国の生活水準を比較するのに役立ちます。高い一人当たりのGDPを持つ国は、一般的に経済的に豊かであると見なされます。
  • 経済成長の評価: 一人当たりのGDPは、国の経済成長のトレンドを評価するのにも使用されます。一人当たりのGDPが増加する場合、国の経済は成長していると考えられます。
  • 貧困率の評価: 一人当たりのGDPは、貧困率や所得不平等を評価するのにも利用されます。一人当たりのGDPが低い国は、一般的に貧困率が高い可能性があります。
  • 経済政策の評価: 政府や経済政策の効果を評価するために、一人当たりのGDPは使用されることがあります。経済政策が一人当たりのGDPに与える影響を分析することができます。

一人当たりのGDPは、GDPの大きさだけでなく、国の人口との関連性も考慮に入れるため、国の経済状況をより正確に評価するのに役立つ指標です。

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

農産物輸出量

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出
アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出
アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

アメリカ向けだけでなく、全体的に日本の農林水産物・食品の輸出は年々増加しています。

米の輸出:
日本の米消費量は毎年約10万トン減少しており、食料自給率・食料自給力の向上や米農家の所得向上を図っていくため、海外市場に積極的に進出し、輸出を拡大していくことが課題となっています。

果物と野菜:
日本産の果実及び果実的野菜の品質やおいしさ等を海外の流通業者、消費者、外国人観光客等にアピールするとともに、海外において、日本産果実が他国産果実と容易に識別できるように、農林水産省は、日本産果実の輸出に係る統一ブランドマークとして「日本産果実マーク」を策定しています。

魚介類と水産物:
水産物の輸出は、過去の経済危機や福島原発事故による輸入制約の影響で減少しましたが、平成24(2012)年以降は徐々に回復傾向にあります。しかし、令和元(2019)年においては、サバなどの主要水産物の漁獲減少や香港における不安定な情勢などが影響し、輸出量(製品重量ベース)は前年比15%減の64万トン、輸出金額は前年比5%減の2,873億円となりました。

主要な輸出相手国・地域は香港、中国、米国で、これら3か国・地域が総輸出金額の約60%を占めています。具体的な品目としては、中国向けに輸出されるホタテガイや、主に香港向けに出荷される真珠が上位に位置します。

和牛:
日本の高級な和牛は、特にアジア市場で人気が高く、香港、台湾、アメリカ、シンガポールなどに輸出されています。和牛は、日本の在来種をもとに作られた食肉専用の牛を指します。品種を指して和牛と呼ぶため、必ずしも国産牛であるとは限りません。しかし農林水産省の指導や業界の自粛により、一般的には「外国産和牛」という表示はされていません。

農産物加工品:
日本の農産物を活用した加工品や調味料も輸出品として増えています。これには醤油、味噌、乾物、お菓子などが含まれます。

日本の農産物輸出は気象条件や国際的な需要の変動に左右されることがありますが、日本政府は貿易協定やプロモーション活動を通じて積極的に農産物の輸出を支援し、国際市場での競争力を高める取り組みを行っています。高品質の農産物と食品安全への注力は、世界の消費者を引きつけ続けています。

農林水産庁:米の輸出について
水産庁:水産物貿易の動向
農林水産省:畜産物の輸出促進対策について
農畜産業振興機構:2021年度の農産物輸出額は過去最高の見通し(米国)
日本畜産物輸出促進協会: LIVESTOCK JAPAN

「処理水」放出について

昨年、北米でもニュースとなっていた、 福島第一原発の「処理水」放出。アメリカ・カナダのナショナルメディアでもトップニュースとなり、中国・韓国の非買運動の様子も放映されていました。水産物の輸出への影響がないよう、風評被害対策が求められます。

農林水産省の特設サイトでは次のように記載されています。

ALPS処理水とは、福島第一原子力発電所の建屋内に存在する放射性物質を含む水に対して行われた浄化処理で、トリチウムを除く放射性物質を安全基準に達するまで浄化した水を指します。また、トリチウムについても、事前に海水で大幅に希釈し、安全基準を十分に満たすように調整されています。これにより、環境および人体への悪影響は考慮されていません。

さらに、海洋への放出前後において、第三者による検証が徹底的に行われ、海洋中の放射性物質濃度に大幅な変化が生じていないことが確認され、安全性が確保されています。国際的な原子力専門機関である国際原子力機関(IAEA)も、ALPS処理水の海洋放出が「国際的な安全基準を遵守しており」、また「放射線が人間や環境に与える影響は無視できるほど微小である」との結論を包括報告書で示しています。なお、IAEAによる監視およびチェックは、放出前だけでなく、放出後も長期にわたり続けられる予定です。

経済産業省:ALPS処理水

海外での日本食の普及

海外における日本食レストラン数

農林水産省が調査した、世界における日本食レストランの数は下記の通りです。日々変動しており、正確な数字の把握は困難なので、ボリュームとして認識してください。

エリア ジャパニーズレストラン数
北米 約28,600店
南米 約12,900店
アジア 約122,000店
オセアニア 約2,500店
ヨーロッパ 約16,400店
中東 約1,300店
ロシア 約3,200店
アフリカ 約700店
合計 約187,000店

海外での日本食の人気は、近年急速に拡大し、世界的な食文化の一部として確立しています。これには、世界中での日本食のトレンドと、その魅力が大きな要因となっています。

近年、多くの国々で、日本食が食文化の中で重要な役割を果たすトレンドとして浮上しています。日本料理は、その独特な味わい、バラエティに富んだ料理、そして新鮮な食材を使用することから、多くの食通や料理愛好者に支持されています。寿司、刺身、ラーメン、天ぷらなど、日本食の各要素が、世界中の食卓で人気を博しています。

日本食の魅力は、多面的です。まず、その魅力の一つは、食材の新鮮さと季節の変化に敏感であることです。日本の料理は、季節に応じた食材を活かす伝統を持っており、これが多様な料理の提供と、季節ごとのメニューの変更につながっています。

和食の盛り付けは美しさを追求し、視覚的な楽しみも提供します。食材の色や形、配置に細心の注意が払われ、料理の美しさが重要視されています。

また、日本食は健康的でバラエティに富んだ料理であるため、多くの人々にとって魅力的です。生の魚、野菜、および調味料の使い方が、栄養バランスを考慮した食事を提供しており、特に健康志向の消費者に訴求力があります。

日本食の特徴の一つは、既存の食材と新しいアイデアを組み合わせて新しい料理を生み出す柔軟性です。これにより、フュージョン料理が生まれ、他国の料理と組み合わさることで、多彩な選択肢が提供できるのです。

これらの要素が、海外での日本食の魅力と人気の背後にある要因となっており、日本の料理文化はますます国際的な舞台で注目を浴びています。

アメリカにおける日本食レストランの増加

アメリカにおける日本食レストランの増加は、近年の注目すべきトレンドであり、さまざまな要因がこの現象の背後に潜んでいます。

日本食の人気と多様性:
日本食は、その美味しさ、新鮮な食材の使用、バラエティ豊かな料理の提供、そして健康的な食事としての評判から、多くの人々に受け入れられています。特に寿司や刺身、ラーメン、天ぷら、焼き鳥など、多くの異なる日本料理が提供されており、消費者に多彩な選択肢を提供しています。

グローバルな食文化への開かれた心:
アメリカの消費者は、世界各国の料理に対する新たな興味を抱いており、異国の食事を試すことに魅了されています。日本食は、新しい食文化を探求する人々にとって、興味深い選択肢となっています。

健康志向の増加:
健康意識が高まる中で、日本食は多くの消費者にとって健康的な食事としての選択肢として注目されています。特に、寿司や刺身のような生の魚、野菜、米などを中心にした日本食は、栄養バランスが取れており、健康志向の人々に支持されています。

有名シェフの影響:
一部の有名なシェフたちが日本食に影響を受け、自身のレストランで日本食の要素を取り入れることで、日本食の人気が高まりました。これらのシェフの創造性と料理技術は、日本食の伝統と融合し、新たな料理体験を提供しています。

健康と持続可能性の側面:
日本食は、食材の新鮮さ、調理方法のバラエティ、そして調味料の使い方において、健康と持続可能性に配慮した食事を提供しています。持続可能な食材の使用と調理方法に対する関心が高まる中で、日本食はこれらの要求に合致しています。

またアフターコロナとなり、消費者の旅行意欲、近年の円安傾向の後押しを受け、旅行者が徐々に戻りつつあり、海外での日本食への普及と一般化に一層拍車をかけています。このような要因が組み合わさり、多国籍国家のアメリカでも日本食レストランは増加傾向にあります。

JNTO:訪日外客数および出国日本人数

アメリカでの日本酒ブーム

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

アメリカでの日本酒の人気は近年着実に増加しており、その理由はいくつかの要因に起因しています。

  • 多様性と品質: アメリカの消費者は多様な食文化を持ち、高品質な食品と飲み物に対する関心が高まっています。日本酒はその多様性と高品質により、食卓において魅力的な選択肢となっています。日本酒はさまざまなフレーバーとスタイルを提供し、多くの食事に合わせやすいため、飲食業界でも人気です。
  • 和食ブーム: 和食、特に寿司や刺身、ラーメンなど、日本料理の人気がアメリカで急上昇しています。和食レストランが増加し、日本酒はこれらの料理に最適な飲み物として位置づけられています。和食のブームは、日本酒の需要を推進しています。
  • クラフト酒ブーム: アメリカでのクラフト酒(小規模醸造所で生産される高品質の酒)の人気が高まっています。日本酒もクラフト酒として認識され、地元の酒蔵で生産されたものが評価されています。
  • 健康志向: アメリカの一部の消費者は、軽度のアルコール飲料を含む低アルコール飲料に関心を持っており、その中には日本酒も含まれています。日本酒は通常、他の酒類と比べてアルコール度数が低いため、健康志向の人々にとって魅力的な選択肢となっています。
  • 教育と普及活動: 日本政府、輸出業者、および関連団体は、アメリカでの日本酒の普及に取り組んでおり、日本酒に関する教育プログラムや試飲イベントを開催しています。これにより、消費者が日本酒に関する知識を深め、アクセスしやすくなっています。

アメリカでの日本酒の消費量は増加傾向にあり、その需要は今後も持続的に成長する可能性が高いと言えます。

冒頭でジャパニーズ・レストランの歴史が長いことに触れましたが、そのベースとなったのは、海外にいち早く進出した下記日本企業の努力があります。

味の素

日本食(レストラン)が一般的になった背景には、調味料の普及が要因の一つにあります。

味の素(Ajinomoto)は、アメリカ市場への進出において長い歴史を持つ日本の調味料メーカーです。彼らは1917年に初めてアメリカで商品を販売し、当初は日本の調味料を提供していました。第二次世界大戦後、味の素はアメリカでの事業を本格的に拡大し、特にMSG(Monosodium Glutamate)という調味料がアジア料理や多くの加工食品に広く使用されました。また、1956年にはアメリカの味の素本社を設立し、アメリカ市場への本格的な進出を推進しました。この時期から味の素は、多様な調味料、スープ、冷凍食品、料理の素などを提供し、アメリカの食品市場において多岐にわたる料理の調理に使用されています。

最近では、味の素は健康志向の消費者向けに、減塩や無添加の製品を提供するなど、持続可能な食品製造に焦点を当てています。また、環境への配慮も重要な要素となっており、持続可能な食品生産と環境に対する取り組みを進化させています。味の素はアメリカ市場において、日本食をはじめとする多くの料理スタイルにおいて重要な役割を果たしており、その影響力は今もなお拡大し続けています。

味の素:味の素グループの歩み

キッコーマン

キッコーマンは、アメリカ市場への進出において、1960年代から積極的な取り組みを行ってきました。この時期、キッコーマンは新しい醤油ボトルのデザインを導入し、アメリカ市場でのブランド認知度を高めました。さらに、キッコーマンは広告戦略を展開し、醤油をアメリカの多くの家庭で一般的な調味料として浸透させました。アメリカ市場において、醤油はアジア料理や和食だけでなく、アメリカの料理にも広く受け入れられ、使用されるようになりました。

キッコーマンはアメリカ国内での醤油製造を本格化し、製造施設を拡大しました。アメリカ国内での生産により、地元の需要に応えつつ、新鮮で高品質な醤油を提供することが可能となりました。キッコーマンの醤油は、アメリカ市場での成功を収め、アメリカにおける醤油のリーダーとしての地位を確立しました。その結果、キッコーマンはアメリカの食文化においても重要な役割を果たし、日本食やアジア料理の普及に大きく貢献しています。

参考: キッコーマン – 北米、ヨーロッパ、アジアへ
Wikipedia: Soy sauce

マルコメ

マルコメは、1845年に日本で創業されたみそ製造企業で、その長い歴史の中で高品質なみその製品を提供してきました。日本国内では、マルコメのみそは伝統的な日本の家庭料理に欠かせない存在として親しまれてきました。その後、マルコメはアメリカ市場へ進出し、2007年には現地工場(マルコメUSAロサンゼルス工場)を設立。アメリカにおけるみその需要の増加と共に成功しています。

アメリカ市場への進出は、日本食がアメリカで人気を博し始めた1980年代に行われました。この時期、日本の料理や文化がアメリカで注目を集め、寿司やみそ汁が一般的な食事として受け入れられるようになりました。マルコメは、この機会に高品質なみそ製品をアメリカ市場に導入し、日本の伝統的なみその味わいを提供しました。特に、白みそと赤みその2つの主要な種類のみそを提供し、料理の調味料として幅広く受け入れられました。赤みそは濃厚な味わいを持ち、みそ汁や鍋料理などに使用され、白みそは甘みがあり、ドレッシングやマリネなどに適しています。

マルコメのみそ製品は、アメリカのスーパーマーケットやアジア食材店で入手できるようになり、多くのアメリカの消費者に愛される存在となりました。その高品質なみそは、日本の伝統的な製法に基づいて製造され、本格的な日本の料理を楽しむための重要な要素としてアメリカ市場に根付いています。これにより、マルコメはアメリカ市場でみそのトッププロバイダーの一つとして確立され、日本食の普及に貢献しています。

参考: マルコメ – 海外での取り組み
農林水産省: マルコメ株式会社

日本食レストランビジネス事例

アメリカにおける日本食レストラン数の多い都市は、大都市圏や観光地域に集中しています。以下は、いくつかの都市での日本食レストランの数の多い例です:

  • ニューヨーク市: ニューヨーク市はアメリカで最も多くの日本食レストランを有する都市の一つです。特にマンハッタンには多くの寿司レストランやラーメン店が集まっています。
  • ロサンゼルス: ロサンゼルスは多様な食文化が交差する都市で、日本食も非常に人気です。リトル東京地区などに多くの日本食レストランがあります。
  • サンフランシスコ: サンフランシスコ湾エリアには日本食レストランが数多く存在し、特に寿司や刺身の店が評判です。
  • ラスベガス: ラスベガスの多国籍な食品産業は、日本食にも大きなスペースを与えており、多くの日本食レストランが存在します。
  • ホノルル: ハワイの首都であるホノルルは、アジア系の多様なコミュニティが存在し、多くの日本食レストランが営業しています。
  • シカゴ: シカゴでも日本食は広く受け入れられており、多くの日本食レストランが営業しています。

これらの都市は日本食の多様性と普及に貢献しており、多くの人々にとって日本食の楽しみを提供しています。

ランキング チェーン店 店舗数* ウェブサイト
1 Benihana 108 https://www.benihana.com/
2 Katsuya 73 https://www.sbe.com/restaurants/katsuya/
3 RA Sushi Bar & Grill 57 https://rasushi.com/
4 Yoshinoya 53 https://www.yoshinoyaamerica.com/
5 Kura Sushi 50 https://kurasushi.com/locations
6 Sushi Ran 45 https://sushiran.com/
7 Ajisen Ramen 40 https://www.ajisen.com.sg/
8 Genki Sushi 35 https://www.genkisushiusa.com/
9 Kabuki Japanese Restaurant 30 https://www.kabukirestaurants.com/
Extra Marugame Udon 15+ https://www.marugameudon.com/

*店舗数は毎月変動しており、正確な数字が知りたい方は各レストラン本部へお問い合わせください。

Benihana

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

ベニハナの物語は、武士の末裔でエンターテイナーでもある青木与之助と、第二次世界大戦後に彼の妻勝とともに東京で喫茶店を開いたことから始まります。彼らの息子であるロッキー・青木は、1964年にウエスト56丁目でアメリカ初の日本の鉄板焼きレストランであるベニハナを開業しました。そのレストランは、本物の日本の農家の内装と鉄板焼きグリルを特徴としており、フード評論家であるクレメンタイン・パドルフォードの絶賛により人気を博しました。1972年には6店舗まで拡大。ロッキー・青木は2008年に亡くなりましたが、その遺産は、アメリカ全土70店舗以上のベニハナレストランで、1億食以上を提供し続けています。

Katsuya

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

ライフスタイル・ホスピタリティの先駆的アイコンであるsbeは、国際的なブランドになりました。マルチプラットフォームのホスピタリティおよびナイトライフ企業として、革新的なコンセプトと受賞歴のある体験を生み出しています。インキュベーターおよび運営者として、当社は世界的に評価の高い料理ブランド、高い評価を得ているレストラン、ラウンジ、ナイトクラブを開発しています。彼らを結び付けるのは、イノベーションとサービスへの継続的な取り組みであり、最高の期待を超え、新たな業界標準を確立する比類のないエクスペリエンスを提供します。sbe は、非日常を満喫できる革新的なコンセプトを概念化し、開発します。

RA Sushi Bar & Grill

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

誰もが冒険好きな一面を持っています。RA Sushiは、冒険好きな一面を見つけて探索できる場所です。RAでは、活気のある音楽、エネルギッシュな雰囲気、独創的なカクテル、この世のものとは思えない寿司がすべてです。RA にいるときは、そのような場所が他にないため、自分が RA にいることがわかります。街で最高の寿司を注文し、特製のロールパンと素晴らしい日本料理に感動する準備をしてください。寿司愛好家でも、単に新しい味を探求したいだけでも、RAは最適な場所です。友達を連れてくるか、新しい友達を作りましょう。いずれにせよ、素晴らしい時間を過ごすことになります。

Yoshinoya

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

吉野家は、100年以上前にさかのぼり、1899年に東京・日本橋の中央区にある日本橋魚市場で誕生しました。創業者の松田栄吉は、忙しい漁師たちがホットミールを取る時間はないものの、空腹であることに気付きました。そこで彼は、早くて手ごろな価格の美味しい丼を提供する新しいタイプのレストランを開くことを決意しました。それが吉野家であり、そこではすぐに漁師や地元の人々が、おいしい牛丼にハマる場所となりました。

口コミが広まり、吉野家は忠実なファンを獲得しました。1923年の関東大震災で初の店舗が壊れたときも、ファンを喜ばせるために築地に新しい店舗を開店しました。今日、吉野家は世界中に2,000以上の店舗を展開しており、日本、香港、中国、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、カンボジア、そしてアメリカに存在しています。

Marugame

アメリカ・ミシガン州経済開発公社 アメリカ進出

丸亀うどんでは、丸亀市からのインスピレーションを大切にし、風味豊かな讃岐うどん麺と、ダシの効いたブロスやソースを組み合わせています。秋松亮シェフは、各麺に慎重に行われる緻密なトレーニングを監督し、各料理に日本文化の温かく歓迎される味わいを確実に提供しています。私たちの展示スタイルのキッチンでは、麺を目の前で丸め、切り、茹でる古くからの技法が披露されています。秋松シェフの指導を受けたパートナーたちが製作した料理は、日本のおもてなしと透明感のユニークな融合を提供します。店内での食事、テイクアウトの注文、またはデリバリーパートナーを通じて、日本の豊かな歴史にインスパイアされた一風変わった味わいをお楽しみください。

上記ウェブサイトをご覧いただくとわかるように、カジュアルバーのようなおしゃれなお店や、鉄板焼きのお店でも、寿司やラーメンを提供しています。日本でおなじみの吉野家では、餃子や枝豆を提供していたり、丸亀製麺にもハッピーアワーがあったりして、ローカライズされています。

海外における日本食レストラン増加の影響

海外における日本食レストランの増加は、さまざまな影響をもたらし、以下の点でポジティブな効果があります:

生産物輸出の増加:
日本食ブームにより、日本産の食材や調味料の需要が増加しています。特に寿司用の魚や米、醤油、味噌などが海外市場で人気を集めており、これらの食材の輸出が増加しています。日本国内の生産者や農家にとっては、国際市場での新たな機会が生まれ、経済的な利益をもたらしています。

農林水産省:「2022年の農林水産物・食品の輸出実績」について

配達・ディストリビューションの拡大:
日本食レストランの増加に伴い、食材の調達やデリバリーの需要も増大しています。これにより、食品供給チェーン全体において新たなビジネス機会が生まれ、配達サービス、食材供給、包装産業などが成長しています。これは雇用の創出と経済的な発展に寄与しています。

Organization to Promote Japanese Restaurants Abroad (JRO):日本食材を提供するサプライヤー・ディストリビューター

食を通じた文化の共有:
日本食レストランは、日本の文化や習慣を外国の人々に紹介する重要な役割を果たしています。料理の提供だけでなく、食事の際のマナーや日本の料理伝統についての教育も行われています。これにより、異文化の理解や国際交流が促進され、世界中で多様な文化が尊重されています。

国際的な雇用機会の創出:
日本食ブームにより、国際的な日本食レストランチェーンや食品供給企業が増加しています。これにより、料理人、ウェイター、シェフ、管理職、食材調達者など、多くの職種に関連する雇用機会が拡大しています。これらの雇用機会は、地元の労働市場に多くのポジションを提供し、経済に貢献しています。

食品の多様化:
日本食レストランの増加により、多くの国で日本食が広く受け入れられています。これは食品の多様化につながり、人々が異なる料理や食材に触れ、新しい味覚を発見する機会を提供しています。多文化の食文化への寄与として、国際的な食品のバリエーションが豊かになっています。

観光産業の成長:
日本食の人気は、観光産業にも影響を与えており、多くの観光地で日本食のレストランや食文化体験が提供されています。これは観光客の吸引力を高め、観光業界の成長に寄与しています。また、観光客が現地で日本食を楽しむことで、文化交流と国際的なつながりが促進されています。

これらの影響は、日本食の国際的な普及によって生まれ、経済、食文化、雇用、観光業など多くの分野に及んでいます。日本食は国際社会において重要な役割を果たしており、多くのベネフィットをもたらしています。

海外のレストランビジネスで成功するための留意点

  • 地域の市場調査: まず、選んだ国や都市の市場について詳しく調査しましょう。現地の競合他社や消費者の好み、文化的な違いなどを理解することが成功の鍵です。
  • 許認可と規制: 各国には異なる飲食業規制が存在します。許認可、衛生基準、食品安全規制などに従うために現地の法律や規制に精通し、適切に遵守しましょう。
  • 場所の選定: レストランの場所は成功に大きな影響を与えます。商業地域、観光地、オフィス街など、ターゲット市場に合った場所を選びましょう。
  • メニューのカスタマイズ: 地域の好みに合ったメニューを提供しましょう。現地の新鮮な食材を使用し、地元の料理文化に敬意を払いましょう。
  • 品質管理とトレーニング: 高品質の料理とサービスを提供するために、従業員をトレーニングし、品質管理を徹底しましょう。
  • 税務と会計: 税金、諸経費、従業員の給与などの財務面にも注意を払い、現地の税制度を理解しましょう。
  • マーケティングとプロモーション: 地元の消費者にアプローチするための効果的なマーケティング戦略を策定し、ソーシャルメディアや現地の広告手段を活用しましょう。
  • 人事管理: 地元の従業員を採用し、現地の文化や労働法に従い、人事管理を適切に行いましょう。
  • 為替リスク: 為替の変動に備え、通貨の変動がビジネスに与える影響を管理する戦略を考えましょう。
  • コミュニケーション: 現地の顧客とコミュニケーションを取り、フィードバックを受ける仕組みを作りましょう。顧客との関係を築くことが重要です。

メニューの革新:
地域の好みに合わせてメニューをカスタマイズしましょう。メインとなる一品はそのままに、地元の新鮮な食材や調理スタイルを取り入れ、地元の客層を引き付けるため、お店独自の特徴を出す一方でローカル客にとって親しみが感じられるよう工夫しバランスを取ることが重要です。また、季節ごとにメニューを変更することで、新鮮で季節感のある料理を提供し、リピーターを増やす機会を作りましょう。

本格性と品質:
お店の方向性にも拠りますが、本格的なお店であれば、日本食体験を提供するために、高品質の食材と調味料を使用しましょう。特に醤油、味噌、塩、酢などの日本の調味料は品質にこだわるべきです。お店の外観、インテリア、食器類、メニュー、本物の味を、五感で再現することが大切です。また、日本食の調理技術に精通したシェフを雇用し、常にクオリティの高い本格的な料理を提供しましょう。熟練のシェフは、食材の扱い方や料理のプレゼンテーションにおいて高い水準を維持します。一流のシェフは必ずしも一流のマネージャーではないため、必要な場合は別々の役割を設けることも必要です。

マーケティングとソーシャルメディアの存在感:
北米ではレストランビジネスのYelpへの掲載はかなりスタンダードです。Google Business Profileも使用し、ユーザーが発見しやすいオンラインプレゼンスを整えてください。地元のコミュニティに焦点を当て、地域の顧客層を吸引するためにローカルマーケティング活動を展開しましょう。地元のイベントやフェスティバルへの参加、地元の食品供給業者との協力などが含まれます。インスタグラム、フェイスブック、ツイッターなどのソーシャルメディアプラットフォームを活用し、コミュニティを築くことで、リピーターを増やしましょう。料理の美しさを披露し、フォロワーとの対話を通じてブランドの認知度を高めましょう。美しい料理写真や動画は特に効果的で、料理体験を共有することが重要です。良いものを提供すれば、自ずとビジネスが成功するとは限りません。集客の努力は常に必要です。

地元のコミュニティとの協力:
地元のコミュニティとの強力なパートナーシップを築くことは成功の鍵です。地元の食品供給業者から新鮮な食材を調達し、地元の食文化や嗜好に合わせた料理を提供することで、地元の顧客から支持を受けるでしょう。地元のイベントやフェスティバルへの参加も、認知度の向上や地域社会への貢献として高く評価されます。

教育と文化の普及:
日本食に関する教育と文化の普及を積極的に行いましょう。地元の学校やコミュニティでの料理教室、料理デモ、日本文化に関するイベントなどを通じて、日本食の歴史や背後にある文化を紹介しましょう。これにより、顧客に料理の背景や調理方法についての理解を提供し、料理への興味を高めます。

これらの戦略を組み合わせ、日本食レストランは競争の激しい国際的な市場で成功するための土台を築きます。地域の文化や好みに適応し、本格的な料理と品質にこだわり、効果的なマーケティングとソーシャルメディアプレゼンスを確立することが鍵です。成功のためには、地道な努力と創造的なアプローチが求められます。

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