2020年4月1日時点で、米国の総人口(全米50州とコロンビア特別区の居住人口の合計)は3億3,144万9,281人となっています。2010年に実施された前回センサスの3億874万5,538人から、2,270万3,743人増加の結果となりました。
参考:U.S. and World Population Clock
ジェトロ: 米センサス局、2020年の国勢調査結果の詳細を発表、人種の多様化進む(米国)
Census:2020 Census Statistics Highlight Local Population Changes and Nation’s Racial and Ethnic Diversity
アメリカ合衆国(米国)に進出している日本企業は、2020年11月時点で6702社です。4年前(2016年/6814社)から、約100社の減少となり、全体としてはやや減少。業種別にみると、最も多いのは「製造業(自動車産業や電機産業など)」で2456社となっています。
州別に見ると、カリフォルニア州(516社)、イリノイ州(317社)、テキサス州(308社)などで多くなっています。2017年の州別拠点数を諸外国と比較すると、日本は全50州で上位3カ国に含まれており、36州で国別首位となっています。トップのイギリスの次となる、第二位のアメリカ雇用創出国として、日系企業はアメリカの全土で高い存在感を示しています。
アメリカで製造されている車の約75%がミシガン州で開発されているため、それに伴い多くの部品メーカー (Tier 1, Tier 2) がミシガン州に拠点を設けています。最近は日本からのみならず、他州からもEV用バッテリーをはじめ、C.A.S.E.に関する技術開発型企業の進出がさかんです。
まず、GMやフォードが本社を置くことから、自動車関連が主要産業と言えますが、業種に限らず、アメリカの62%*のR&D(研究・開発)がミシガンで行われているという点が強みだと思います。その理由として、「ミシガン州戦略ファンド」と呼ばれる州の補助金制度が充実している、University of Michiganを卒業した優秀なエンジニアが多い、また自動車の研究・開発、自動操縦機能に使われるA.I.やモビリティ社会への投資は、宇宙産業、医療分野、あらゆるところに今後展開が可能なため、結果相乗効果を生み出しています。
*No. 1 in mobility and automotive R&D, with 62% of total U.S. spending taking place in Michigan. That stat is from the Center for Automotive Research. Reference: CAR (Center for Automotive Research)
参考:第17回ビジネス環境年次ランキング
リンク:ミシガン州について
ジェトロ:ビジネス環境ランキング、自動車部門でミシガン州が1位に
2022年4月現在、Corporate Income Tax (法人税) は6%、Personal Income Tax (個人所得税) は4.25%です。また、生産設備や在庫に対する固定資産税は0% (無税) となっています。他州との比較については、ミシガン州経済開発公社 ミシガン州についてを参照ください。
アメリカへの進出・ビジネス形態を考える際は、法人税についての予備知識は必要だと思いますが、州や業種により課せられる税金も変わり、最新の法改正情報等を専門家への相談なしに把握するのは、とても難しいものがあります。ミシガン州開発公社では、専門家のご紹介も行っておりますので、ぜひご利用ください。ちなみに、アメリカでは国、州、ローカル(地方自治体)の3種類の法人税を支払う義務があります。国全体にかかる法人税は一律ですが、州とローカル(地方自治体)の税率は各団体で税率が変わる仕組みです。またどの法人に対しても同じ税率で課税する州もあれば、総収入や業界によって税率を変更する州もあります。
マークリサーチ有限会社:アメリカ法人の税金
主な海外の進出形態として、細かく分けると下記のような進出形態があります。アメリカに限らず、海外へ進出する際は、進出の目的、ビジネスプラン(プロセス)、予算等を慎重に考慮した上で形態をご選択ください。
日本から海外取引を行う場合
・セールレップ
・ディストリビューター(販売店)
・国債売買契約
・委託契約(GEO など)
・ライセンス
・OEM
・Eコマースビジネス
リスクとコストを抑えながら、アメリカ進出の課題や問題点を分析し、土台作りを目的とする中小企業が選ぶ進出形態です。米国を拠点とする企業との契約関係を活用し、日本から直接的に米国ビジネスを行うことができます。
米国をベースに事業を行う場合
・駐在員事務所
・支店
・パートナーシップ
・会社設立
・合弁事業
・国際的事業買収
製造業やホスピタリティ産業(レストラン)など、米国を拠点に事業をせざるを得ない業種もあります。一般的に、初めて米国進出する企業は、リスクの低い駐在員事務所や支店、会社の設立(単独)を選ばれることが多いです。
アメリカは国土が広いため、立地の特徴や州のルールによって利便性が変わってくるのが特徴です。一概にどの州をと、お勧めすることはできません。
まず何より、ターゲットとしている顧客に近い場所であるかどうかは重要なポイントだと思います。現地で生産しアメリカ全土へ輸送するなら、工場設立に対して州からの支援はあるか、人材採用は可能か、賃金水準・物価は平均的か、ロジスティクスの利便性どうか等も検討事項です。今でこそ北米のEコマースを独占しているアマゾンですが、シアトルに本社を構えた理由の一つに、マイクロソフトの本社がシアトルにあったことをジェフ・ベゾスは語っています。IT関連の優秀な人材の確保という狙いでした。
日本からの輸入・輸出を多く必要とする事業であれば、ワシントン州やカリフォルニア州など、太平洋に面した州の方が利便性が良く、コストが抑えられるかもしれません。ミシガン州の場合は、カナダとの国境ということで、アメリカのみならず、カナダへのビジネス展開も考えられます。既に日系企業の進出が多い州であれば、日本語で相談できるコンサルタント、法律や会計の専門家も同州に存在する可能性は高くなります。
まず、アメリカは世界経済を牽引する先進国であると同時に、移民政策を取り、今後も着実な人口増加・経済成長が見込まれています(日本の2.6倍/2020年時点)。世界トップランクに名前を連ねる大学には、世界中から優秀な留学生が集まり、そのままアメリカに残り、グローバル企業のCEOを始め管理職として勤めたり、起業する例も少なくありません。一方、日本の人口減少はリーマンショック、及びCOVIDの影響で進行しています(Why does Japan have so few children? – BBC News)。ある程度経済成長を果たした日本から、世界を席巻するスタートアップがなかなか生まれない状況です。一例として、A.I.が次世代の仕事・生活を大きく変えると言われていますが、そのA.I.関連のスタートアップ数が日本は極端に少なく、アメリカ・中国の2強競争となっていることを、孫正義氏がメディアのインタビューの際に危惧していました(Nikkei Inc.: Masayoshi Son blasts critics who ‘don’t understand’ AI’s potential)。アメリカでは、移民の多いことも要因の一つですが、未だハングリー精神が旺盛だと言えます。
起業だけではなく、アメリカでは州ごとに企業誘致も活発、各支援やサポートが用意されています。資本金も基本的にアメリカでは無料です。アメリカでの事業は、軌道にのせるまでには時間がかかるかもしれませんが、成功すれば事業の大きな発展につながる可能性があります。英語はグローバル言語の一つであり、アメリカでの経験・実績は、隣国カナダを始め、ヨーロッパ、南米の展開を可能なものとします。移動・輸送手段の進歩により距離の欠点は小さくなり、これからは日本で作り世界で売ることが十分可能な時代です。
ined: Projections by countries
アメリカへの進出形態が複数あり、事業によって大きく異なるため、一概にコストをお伝えすることができません。一つ言えることは、いきなり大きな投資をすることは避けた方が安全かもしれません。相談したい場合は、以前のブログ(アメリカ進出・海外展開を支援する機関)で紹介した機関へお問い合わせすることもできますし、自社の人材を駐在のために派遣するのはコストがかかるため、セールレップを雇い、日本に居ながら海外で売る、新規顧客・需要の手応え・目処を立てることも可能です。もちろん、ミシガン州経済開発公社でも無料でご相談を承っております。
単純な方法として、競合が販売する商品の1位を確認し、売り上げにアジア人の割合をかけると、アジア人のみを対象にした際の売り上げが把握可能です。
アメリカ人口は2020年時点で3.295億人。2060年にはアジア系人口が4,620万人(9.1%)に達すると言われています。そのため9.1%をかけると、アメリカ全体での市場を見極めることが可能です。
ちなみにミシガン州の場合、アジア系比率はミシガン州全体の2.41%ほどで、人口でいうと23.8万人といわれています。
アメリカでの起業に必要な就労ビザは、主にEビザとLビザ、スタートアップビザの3種類で、日本から駐在員を派遣する場合は主にHビザの1種類です。ビザ取得のステップは以下の通りになります。
ビザ取得のステップ:
• ビザ取得に必要な申請条件を読み、必要書類を準備する
• DS-160ビザ申請書を完成させる
• ビザ申請料金を支払う
• 米国大使館または領事館で面接を受ける
• 送付先住所にビザが届けられる
なお、当社は法律の専門家ではありませんので、詳しくは弁護士にご相談ください。
ESTA Online Center:アメリカビザ(非移民ビザ申請)の種類・申請方法
EビザとLビザの申請条件を確認し、より条件に当てはまる申請をまず進めてみてください。それぞれの条件は以下の通りです。
ビザの種類と条件:
Eビザ:日本に企業がない
Lビザ:日本に企業があり、子会社をアメリカで設立する
スタートアップビザ:5年以内に設立された会社
*他細かい条件あり
Lビザに該当していた場合でも、投資や貿易に携わることでEビザの要件を満たすこともあります。また投資している起業家がEビザを持っていたため、その仕事に不可欠な従業員もEビザを獲得するケースもあります。また、従業員を雇用する場合は、Hビザを取得することが多いですが、専門技術を持つ人には別のビザが用意されています。
各ビザでもさらに種類が分かれています。詳しくは、在日米国大使館へお問い合わせください。
在日米国大使館:ビザサービス
弁護士法人イデア・パートナーズ法律事務所:アメリカビザ 種類と解説
ミシガン州経済開発公社 (MEDC) では、日本語を話すスタッフが日本(東京)、ミシガンに常駐しています。また弁護士や会計士などの専門家や、病院、美容院にも日本語が話せるスタッフがおり、デトロイト郊外とバトルクリークには日本語補習校がございます。
アメリカ進出時のコンサルティングや、事業所・工場予定地の紹介、顧客やサプライチェーン候補となる在ミシガン州の会社とのビジネスマッチング、人件費・光熱費・税金を含む事業運営費の他州との比較、Taxインセンティブなどを提供しています。これらMEDCが提供するサービスはすべて無料です。